｢メカニックアート｣は、新しい素材やパーツをたえず採用し、機能性と規格の進化に対応しなければなりません。進化の道をたどり続ける技術と、専門家アーティストの手腕の出会いによって、卓越の機能性を有する美しいメカニックが実現されます。
PECQUEUR CONCEPTUALSは、イノベーションという明確な理念のもとに、かつてないメカニックを追求しています。構想段階から素材のセレクション、広報活動、最終的な組み立てにいたるまで、このイノベーション精神が製品の核となります。
美的見地と技術革新をダイナミックに結晶させた｢メカニックアート｣というコピーは、PECQUEUR CONCEPTUALSのブランドイメージにとどまりません。伝統を継承しながらオリジナル製品を実現するという新しいエスプリを称揚しています。Pecqueur Conceptualsは、自らの地平を押し広げながら、メカニックの｢機能性｣を追求し続けます。
はじめに：メカニックの均衡システムを採用した新しい演算ユニット
オネシフォール･ペックールは、メカニックに対する天賦の才を有していました。1814年、自作の惑星儀の解説を発表します。これが、地図製作に際して円を描くコンパスです。その1年後に、複雑さを増す一方の歯車装置のために、精密な数学知識を用いた演算機が構想されました。
1823年の展示会に際し、恒星時と太陽時を表示する時計に対して金メダルが授与されました。こうして、エマニュエル･アラゴ、ガスパール･ド･プロニー、時計職人のアブラハム=ルイ･ブルゲといった当時第一線で活躍する科学者の一員となったペックールは、奇想天外の発明を提示し科学分野の発展に貢献しま し た 。
1827年、自動車産業の発展の要となる特許が申請されました。同一車軸の原動車輪が、カーブ時に同一速度で回転できないことから、時計技術を応用した差動装置が考案されました。この発明によって、カーブ時における二軸の回転関係が修正されます。自動車産業初となったこの大発明は、時計職人の手によるものだったのです。
新発想のタイムピース
Pecqueur Conceptualsの画期的な新調整振り子システムを、バーチャルモードでご紹介します。
Pecqueur Conceptuals ブランドの精髄を体現するために、19世紀にオネシフォール･ペックールに発明された｢調整式振り子｣システムが、若手デザイナーの手で再解釈されました。新たなアプローチによって、メカニックパーツが理論的な応用を超えたレベルで機能できるようになりました。これが、さらに進化したメカニズムの均衡に基づく差動システムです。
元来｢調整振り子｣は、懐中時計の時刻合わせに用いられました。狂いの生じた時計を振り子の歯車にはめ合わせると、両者のメカニズムに均衡がもたらされます。狂いの生じた時計は自然と調整振り子の正確な動きを模倣し、正確な時刻を刻むようになります。
バーチャルモードによる｢アーティスティックな性能｣は、経済危機を回避しようとする金融システムになぞらえられています。
ダイヤルの振り子に組み込まれたレギュレーターは、一切の外的要因から保護されています。差動システムは、力を制御し配分する｢てこ｣として伝達上の力関係を調整し、外的要因に左右されない恒常的な働きを保証します。ムーブメントのダイナミックスと連動することで、｢性能(パフォーマンス)｣の威力が発揮されま す 。
OP 21/1-15ムーブメントは、時計職人オネシフォール･ペックールの発明による差動装置を採用しています。2世紀近くたった今日、自動車への応用を経て、この差動システムが原点となる時計にふたたび搭載されました。
旧式の差動装置を応用したペックール コンセプチュアル OP 21/1-15キャリバーは、かつて例のないタイムゾーン表示を実現しました。24時間表示上にセンター針を用いて第2のGMT(グリニッジ標準時)を表示する代わりに、ふたつのダイヤルに現地時刻と第2の時刻を同時に表示します。しかもこの新システムには、二重の装置が必要とされません。任意の第2タイムゾーンを表示する稀にみるタイムピースの誕生です。
コンフィデンシャルアクセスコードを入手することによって、ペックールのタイムウォッチデザイン最終段階の様子をリアルタイムでフォローできます。Peugeot Design Labチームが手がけるこの新タイムピースは、来たる12月に公式に発表されます。
メカニック特有の複雑な造形美に惹かれる人々にとって、時計ほど魅惑的な世界はないでしょう。正当な伝統に裏付けられた時計の世界に魅せられたペックールコンセプチュアルは、ブランド初の製品として時計のコンプリケーションを選びました。
OP 21/1-15キャリバーは、オネシフォール･ペックールの発明したメカニックの均衡に基づく調整システムをベースとしています。ペックールの発明である差動装置は、自動車をはじめとした多くの輸送動力にも取り入れられて
います。
アートの域に達した高級タイムピースの世界では、メタルの密度の扱いなど様々な加工を通じて、美を称揚することができます。ケースのデザイン、ムーブメントのパーツといったあらゆるディティールに細心の注意を払い、精密さと正確さの追求を信念としています。